松井歯科医院ブログ

2026.09.07更新

被せ物の素材を比較するイメージ

 

こんにちは、松井歯科医院院長の松井です。

 

「銀歯を白くしたい」とご相談いただいたとき、私がよくお伝えするのが「保険でできる方法と、自費でできる方法があります」という話です。

 

ただ、そこから先を短い診療時間の中でご説明するのは、正直なかなか難しいところがあります。

 

・保険で白くできると聞いたけれど、何か違いがあるの?
・自費のほうがいいと言われたが、どこがいいのか分からない
・安いほうで十分なのか、それとも後悔するのか

 

こういった疑問をお持ちの方は多いと思います。

 

今回は、保険の「CAD/CAM冠(キャドキャムかん)」と、自費のジルコニアについて、それぞれの特徴と気をつけたい点を整理してご説明させて頂きます。どちらが優れているという話ではなく、判断のための材料としてお読みいただければと思います。

 

CAD/CAM冠・CAD/CAMインレーとは何か

CAD/CAMで設計された歯の模型

 

まず、言葉の意味からご説明します。

 

CAD/CAMというのは、コンピューターで設計し、機械で削り出す仕組みのことです。

 

・CAD……Computer Aided Design(コンピューターによる設計)
・CAM……Computer Aided Manufacturing(コンピューターによる製作)

 

この方法で作った被せ物(クラウン)を「CAD/CAM冠」と呼びます。診療報酬上の正式な名称でもあります。詰め物として使うものは「CAD/CAMインレー」と呼ばれます。材料(ハイブリッドレジン)は冠と同じで、形が違うだけです。この記事では冠・インレーをまとめてご説明していきます。

 

保険で白い歯にできる範囲について

 

CAD/CAM冠は保険が適用されます。ただし、どの歯に使えるかについては、これまで少しずつ範囲が広がってきた経緯があります。

 

はじめは小臼歯(前から4番目と5番目の歯)だけでした。その後、前歯にも使えるようになり、条件付きで奥歯にも広がってきました。そして2026年6月の制度改定で、全ての歯に適用されるようになりました。

 

ただ、全ての歯に使えるようになったとはいえ、実際に向いているかどうかはお口の状態次第です。「自分の場合はどうか」は、実際に拝見したうえでお伝えするのが確実ですので、お気軽にご相談ください。

 

「自分の歯は保険で白くできるのか」については、実際に拝見したうえでご説明するのが確実です。

 

ここでは「保険で白くできる範囲は、以前より広がってきている」という点だけ押さえていただければと思います。

 

保険のCAD/CAM冠で気をつけたい点

歯科治療費を計算するイメージ

 

保険で白い歯にできるというのは、大きなメリットです。費用の負担が抑えられますし、金属を使わないので見た目も自然になります。

 

ただ、知っておいていただきたい点もいくつかあります。

 

|素材はセラミックではありません

保険のCAD/CAM冠に使われるのは、ハイブリッドレジンと呼ばれる材料です。歯科用のプラスチック(レジン)にセラミックの粉を混ぜたもので、セラミックそのものではありません。

 

白いことは白いのですが、透明感という点では自然の歯とは少し違いがあります。

 

|時間が経つと変色することがあります

レジン系の材料は、少しずつ水分を吸う性質があります。そのため、年数が経つと色が変わってくることがあります。

 

どのくらいで変わるかは、お口の環境や食生活によってかなり差があります。

 

|すり減ったり、割れたりすることがあります

セラミックに比べると硬さの面で劣るため、噛み合わせの強い方や歯ぎしりのある方では、すり減りや破損が起こることがあります。外れてしまうこともあります。

 

自費のジルコニアについて

白い歯を見せて笑顔の女性

 

一方、自費で選べる素材の一つがジルコニアです。

 

ジルコニアは、人工のダイヤモンドにも使われる成分を素材とした、非常に硬いセラミックの一種です。医療の分野では人工関節などにも使われてきた材料です。

 

|強度が高い

セラミックの中でも特に硬く、割れにくいのが特徴です。奥歯のように強い力がかかる場所にも使いやすい素材です。

 

|変色しにくい

レジン系の材料と違って水分を吸いにくいため、年数が経っても色が変わりにくいという特徴があります。

 

|金属を使いません

金属アレルギーが心配な方にも選んでいただける素材です。歯ぐきの縁が黒ずんでくるということも起こりません。

 

|気をつけたい点もあります

硬い素材であるぶん、噛み合う相手の歯に影響が出ないよう、噛み合わせの調整と表面の研磨が大切になります。ここは治療する側が気を配るべき部分です。

 

また、透明感という点では、e-max(イーマックス)のような他のセラミック素材のほうが優れている場合もあります。前歯など、見た目を特に重視される場合は、素材の選び方が変わることもあります。

 

あらためて、両者を比べてみます

 

ここまでの内容を、項目ごとに並べてみます。

 

|素材

保険のCAD/CAM冠はハイブリッドレジン(プラスチックにセラミックの粉を混ぜたもの)。自費のジルコニアはセラミックの一種です。

 

|見た目

どちらも白い歯になります。透明感という点ではジルコニアのほうが自然の歯に近くなります。

 

|変色

CAD/CAM冠は年数が経つと変色することがあります。ジルコニアは変色しにくい素材です。

 

|強度

ジルコニアのほうが高く、割れや欠けが起こりにくい素材です。

 

|費用

CAD/CAM冠は保険が適用されます。ジルコニアは自費となり、全額自己負担です。

 

|型取りの方法

当院では、口腔内スキャナーによる型取り(光学印象)を導入しております。一部の自由診療と、保険診療のCAD/CAM冠・CAD/CAMインレーには適応できます。ただし、お口の状態や治療内容によっては、従来の印象材を使った型取りで行う場合もあります。

 

型取りが苦手な方に向けて、負担を減らす工夫を別の記事でまとめています。

 

歯の型取りが苦しい・えずいてしまう方へ|光学印象という選択肢

 

|保証

自費治療には保証期間を設けております。詳しくは記事末尾の「自由診療に関するご案内」をご覧ください。

 

どちらを選べばいいのか

治療後に自然な笑顔を見せる女性

 

「結局どちらがいいんですか」とよく聞かれます。

 

正直に申し上げると、これは一概に言えません。お口の状態、噛み合わせの強さ、どの歯を治すのか、そして何を優先されるかによって変わってきます。

 

あくまで一般的な傾向としてですが、こんなふうに考えていただくと整理しやすいかと思います。

 

・まず費用を抑えたい、目立たなければ十分という方 → 保険のCAD/CAM冠
・長く使いたい、変色が気になる、噛む力が強い方 → 自費のジルコニア
・前歯で見た目を特に重視される方 → 素材の選択肢を含めてご相談を

 

ただし、これはあくまで目安です。噛み合わせの状態によっては、ご希望どおりの素材が使えないこともあります。逆に「保険で十分ですよ」とお伝えすることもあります。

 

治療の効果や経過には個人差がありますので、実際にお口を拝見したうえで、それぞれの選択肢についてご説明させて頂きます。

 

よくあるご質問

 

Q. 保険の白い歯は、どのくらい持ちますか?

 

噛み合わせやお手入れの状況によって大きく変わるため、一律に何年とは申し上げられません。強い力がかかる場所ほど、負担は大きくなります。定期的にご来院いただき、状態を確認していくことが長持ちにつながります。

 

Q. CAD/CAM冠が外れてしまいました。付け直せますか?

 

状態によります。被せ物と歯のどちらにも問題がなければ付け直せることもありますが、中で虫歯になっている場合は作り直しが必要です。外れたものは捨てずにお持ちください。

 

Q. 途中で自費に変更できますか?

 

治療の段階によります。型取りの前であれば変更しやすいですが、進んでからですと難しい場合もあります。迷っておられる場合は、型取りの前にご相談ください。

 

Q. 銀歯を全部いっぺんに白くできますか?

 

本数によっては、複数回に分けて進めることになります。お口の状態を拝見したうえで、優先順位も含めてご提案させて頂きます。

 

Q. 相談だけでも構いませんか?

 

はい、大丈夫です。「話を聞いてから決めたい」というご相談も歓迎しております。

 

まとめ

 

今回は、保険のCAD/CAM冠と自費のジルコニアの違いについてご紹介させて頂きました。

 

・CAD/CAM冠はコンピューターで設計・製作する被せ物で、保険が適用されます
・保険で使われるのはハイブリッドレジンという材料で、セラミックそのものではありません
・年数が経つと変色したり、すり減ったりすることがあります
・自費のジルコニアは強度が高く、変色しにくい素材です
・どちらが良いかは、お口の状態と何を優先されるかによって変わります

 

白い歯にしたいというご希望は、見た目のことだけではなく、金属アレルギーや二次的な虫歯の心配など、いろいろな背景があるものだと思います。

 

どちらを選ぶにしても、納得したうえで治療を始めていただくのが一番です。分からないことは、遠慮なくお尋ねくださいね。

 

当院はJR神戸駅から徒歩5分のところにあります。神戸市近郊で銀歯のことでお悩みの方は、一度ご相談してみてください。

 

自由診療に関するご案内

 

この記事でご紹介しているジルコニアによる被せ物は自由診療です。公的医療保険が適用されず、費用は全額自己負担となります。

 

|主なリスク・副作用について

・被せ物を作るために、歯を削る必要があります
・噛み合わせや使用状況によって、破損や脱離が起こる場合があります
・硬い素材のため、噛み合う相手の歯に影響が出ないよう調整が必要です
・治療後に、しみる・違和感があるなどの症状が出る場合があります
・お口の状態によっては、ご希望の素材で治療できない場合があります
・治療の効果や経過には個人差があり、すべての方に同じ結果をお約束するものではありません

 

|保証について

自費治療には5年間の保証期間を設けております。保証の適用には条件がございますので、治療開始前に詳しくご説明いたします。

 

|費用について

治療内容やお口の状態によって異なりますので、診察のうえでお見積りをご提示いたします。費用についてのご説明を十分に行い、ご納得いただいてから治療を開始いたします。

 

ご相談・ご予約

 

お電話のほか、ページ上部の「WEB予約」からも24時間ご予約いただけます。

 

・電話番号:078-381-6484
・診療時間:9:00~13:00/14:30~19:00(土曜の午後は14:00~17:00)
・休診日:木曜・日祝
・アクセス:JR神戸駅より徒歩5分

投稿者: 松井歯科医院